お役だち記事

雑談と好奇心 〜 オンラインの会話で偶然性を高める 〜

著者のWebメディアからの転載記事です。
(著者:黒田悠介さんからの承諾はいただいております)

私たちには雑談が必要だ

オンラインコミュニケーションにはハプニングがありません。

コワーキングスペースで知り合いにばったり再開したり、イベントで隣に座った人と妙に話が盛り上がったり。そういった「ばったり感」「たまたま感」がオンラインでは生まれにくい。

実際、Zoomでの打ち合わせは事前に予定された通りに進み、まるで時間割のように一日の予定が組まれ、整然とした一日を過ごす人もいるでしょう。

ちなみにハプニングの語源はハッピーと同じだと聞いたことがあります。日常のちょっとしたハプニングは良い刺激になって生活を豊かにするのかもしれない。

だとしたら、オンラインでコミュケーションを取るときにも、もっとハプニングを起こしていけたらいいんじゃないかな?

ハプニングを起こすコミュケーション。それは雑談と呼ばれます。

雑談のコツは「相手に興味を持つ」こと

「雑談力」で調べるとたくさんの書籍や記事がヒットします。それほどまでに、雑談に必要性を感じていたり、苦手意識を感じていたりするんだと思います。

それらを読まずに言うのもなんですが、雑談は「相手に興味を持つ」だけでうまくいくと思います。毎日のアポイントの大半が雑談で占められている私が言うのだから、間違いないですw

ではなぜ、相手に興味を持つだけでいいのか?その前に雑談の特徴を考えてみましょう。

雑談の特徴は目的の不明確性

雑談の特徴は「目的の不明確性」です。もし目的がハッキリしたコミュケーションなら、その目的のために適切なコミュケーションを取ればいい。

でも、雑談にはその目的がハッキリしていない。無目的ではないにせよ、コミュケーションの相手と自分の関係性がどこへ向かうか不明確です。

つまり、雑談をしているということは、「この人と自分はどんな関係になるのかな」と探っている状態です。iPS細胞のように、関係性は未分化で、如何様にもなりうる。

なぜそんなふうに探っているかといえば、相手のことを完全には知らないからです。知らないからこそ、雑談を通じてお互いのことを探り、知っていこうとする。

だとしたら、素直に知りたいことを聞いていけばいい。それが雑談の基本姿勢です。

知らないことを知ろうとする雑談

「知りたい」という思いが強くなれば、それは「好奇心」になります。好奇心に火がつけば、雑談はうまくいく。大事なのは、火がつく手前でどんなことを考えておくかだと思います。

特に雑談の序盤は緊張感があり、好奇心を緊張感が上回っている場合がある。そのときには、意識的に自分の好奇心を高めていく必要があります。

そんなときには、「自分が相手の何を知らないか」を列挙してみることです。それこそ無限にあるでしょう。相手のことを知らないことに自覚的になれば、好奇心も湧きやすくなります。

雑談をイマ・ココからスタートする

雑談で、いきなり「初恋の人の名前はなんですか?」とか「将来の夢はなんですか?」なんてことは訊いたりしませんよね。唐突だからです。

だとしたら、唐突にならないことからスタートしていきましょう。コツは「イマ・ココ」からスタートすることです。

例えばZoomを使っているなら「Zoomで話すの慣れてますか?」「今どこからZoomしてるんですか?」みたいなところから始めていけばいい。そこから徐々に話題を転がしていき、相手について知らないことを質問していったり、その質問内容について自己開示していけばいいのです。

雑談という偶然性を織り込む

雑談をしていると意外な共通点や接点が見つかったりします。それが新しい仕事やプロジェクトにつながったり、人生を変えてしまうかもしれない。

そんな可能性に開かれた、ハプニングのある会話が雑談です。パキパキとスケジュールが進んでしまいがちなオンラインでも、そんな偶然性を織り込んでおきたいですね。

以下、雑談の機会を生むためにやっていることをまとめたnoteがあるので、こちらもよろしければ読んでみてください!