こちらの記事は、下記記事を分類した上でまとめて転載した記事です。
・平均時給は6,000円超え!? アメリカと日本のフリーランスを比較してみた
・フリーランスの3つのタイプ
・フリーランスの向き不向き / Short COMEMO
・「複業」という言葉にひそむ罠
・新しいことを始められないのは、やめ方を決めていないからかもしれない
・やってみる「初動力」とダメならやめる「撤退力」
著者のWebメディアからの転載記事です。
(著者:黒田悠介さんからの承諾はいただいております)
平均時給は6,000円超え!? アメリカと日本のフリーランスを比較してみた
フリーランス始めたら会社員には戻る気にならないw
アメリカでは50%のフリーランスが「どれだけの給料を積まれても、会社員には戻らない」と答えています。向き不向きはあるかと思いますが、フリーランスは一度始めたらやめられない、と思う人も数多くいるようですね。
フリーランスの3つのタイプ
ひとくちにフリーランスと言っても、たくさんのタイプがいます。
もちろん、職種が違えば別のタイプに分類されるでしょう。エンジニア、デザイナー、ライター、ディスカッションパートナーといった具合に。
これは、フリーランスを専門性という武器によって分類するイメージですね。ちなみにランスはもともと槍を意味しています。現代では、ランスに変わって専門性という武器を持つことで自由を得た人をフリーランスと呼びます。
この分類以外にも、「仕事との向き合い方」や「スタンス」でフリーランスを3つのタイプに分けられる感覚があります。
以下にその3種類を示してみます。
1.アントレプレナータイプ
起業家のように、逆張りし、仮説を持ち検証することで、新しい職種や働き方を実現するフリーランスが当てはまるタイプ。これについてはいつか「逆説のフリーランス」というタイトルで書きたいと思っています。
2.テクノロジストタイプ
1つまたは2つほどの専門性を磨き、まさに槍(ランス)のように研ぎすませていくタイプ。職人肌で、強いこだわりを持つことが多い。
3.コラボレータータイプ
専門性を研ぎ澄ます代わりに、そういったテクノロジストを繋ぐ役割を担う越境人材。テクノロジストとの間にはいり、双方の意図を翻訳して伝えたり、ステークホルダーのモチベーションを高めることができるタイプ。
フリーランスの向き不向き
「フリーランスに向き不向きってありますか?」
という質問にいつも困ってしまいます。一般的なフリーランスについては向き不向きがあるけど、目の前の人には一般的ではない独自のフリーランス戦略があり得るのですから。
自分をフリーランスに「はめ込む」のではなくて、フリーランスというライフスタイルを自分なりに「取り込む」のがよくて、それは全く逆方向の矢印で表現されると思います。向き不向きについて考えるのは前者の発想。
「複業」という言葉にひそむ罠
「業」のもつニュアンスによる罠
なぜ「業」が入っていることが罠なのか。それは、「複業」に「金銭的報酬」が伴わなくてはならないようなニュアンスを与えてしまうからです。
もちろん、複数の収入源をもつことで安定感は出るでしょう。
しかし人はお金だけで生きているわけではないし、わざわざお金を経由せずに手に入れられるものもあります(経験、友人、意味、没頭、など)。
お金にならなくてもいい「複活」
本業以外になにか始めようと思うとき「これをやってお金になるかな」というのはアタマから外して考えたほうが選択肢も広がります。
だから、お金のニュアンスのある「複業」ではなく、複数の活動という意味で「複活」のような言葉を使うのが良いのではないかなと思うのです。
いや、なにも「複活」がベストだとは思いませんが、お金のニュアンスはないし、新しい活動を始めるハードルが下がったり選択肢が広がるなら、こういった新しい言葉を使ったほうがいいんじゃないかな。
複活はすぐにお金にならなくても良い。そのための本業だとも思うし、せっかく新しい活動を始めるなら本業で得られない金銭以外の報酬というのを念頭に選んでみるのもアリだと思います。
そんなわけで以前わたしはこんな記事を書きました。
このタイトルは「あなたが複活から受け取れる6つの報酬」と読み替えてもらって構いません。金銭以外にも色んな報酬があることを書きました。
本業はきっと金銭的報酬があると思うので、複活においてはそれ以外の報酬をメインに考えると良いんじゃないかなと思います!
それに、複活として気軽に始めた活動で金銭的報酬が得られるようになることで、文字通りの複業になることもありますから。
新しいことを始められないのは、やめ方を決めていないからかもしれない
毎日のように議論メシのメンバーと1on1をしているなかで、「新しいことの始め方」について話すことが最近でも数回ありました。
やりたいことがすでにハッキリしていれば、もうあとはやるだけだったりするのですが、やりたいことがボンヤリしているときでも、何かしら行動してみないとボンヤリしたままなので、結局はやってみるしかありません。
ともかく実験してみるしかない。でも、動き出すのにためらってしまう。
そんなときに、どうしたら動き出せるのか?わたしは「軽薄さ」を持ち込んだらいいんじゃないかなと思います。
言い換えれば「そのうちやめるつもりで始める」ということ。
やってみて、それから、続けるかどうかを判断する。
「新しいことを始めるかどうか」で悩むのではなくて「新しいことを始めたあとに続けるかどうか」を考えるのです。
始めるための条件なんて整わないし、情報なんて揃いません。だから、ライトに初期費用をあまりかけずに始めてみる。すると、新しい気付きや学びがあったり、興味を持って応援してくれる人や協力者が現れたりします。
そうやって先が見えるかどうか。「これを続けたらこんなことになりそうだな」と可能性を感じるかどうか。そんな感覚で続けるかどうかを決めてみる。
ちなみに、楽しいかどうかはあんまりアテになりません。ある程度の慣れや上達がないと楽しめないことも多いからです。楽しくないのは下手だから、ということがよくあります。
そうやって10個新しいことを始めて1つ続けたいものが残れば上々だと思います。
やってみる「初動力」とダメならやめる「撤退力」
やってみてダメならすぐやめる。初動力と撤退力が必要な時代になりました。
「いつこれをやろうか」と伺っているうちにチャンスを逃し、「いつまでこれをやっているのか」と迷っているうちに無為に時間を消費する。そうならないためにも
始めるときはサッと始めて終わるときはパタッと終わる。
何かをやろうと思ったらこの「サッパタ」を合言葉にしましょう。我ながら語呂が悪いですが。
私の最近の「サッパタ」は、weworkに日本上陸のタイミングで入って2ヶ月で抜けたり、新しい肩書きを作って1ヶ月で廃止したり、podcastも開始数ヶ月で更新を止めたり、slackをコミュニティに導入して1週間くらいでやめたり、サービスのランディングページだけ作ってローンチしなかったり。
そのようにして毎日なにから失敗と修正を繰り返してます。フリーランスは市場と近い位置にいる個人なので、ダイレクトなフィードバックを活かせばいくらでも検証サイクルを回せるなあと思います。
何事もやってみなければ分からない。そんなアタリマエのことを実践するために必要なのが「初動力」と「撤退力」です。
初動力はノリ、撤退力は計画
初動力はノリの良さだと思いますし、これについては昔から「やってみなはれ精神」として様々な人が素敵な言葉を残していますので、そちらを参照してください。しかし一方で、撤退力についてはあまり語られていない気がします。
重要なことは、始めるときに既に終わり方や撤退ルールを計画しておくことです。
終わり方を考えておくことが「撤退力」に繋がります。例えば私は有料会員のサロン「議論メシ」というのをやっていますが、3ヶ月で30人集まらなかったらやめようと思って始めました。辞めるときのお詫びまで事前に考えました。でも幸いその撤退ルールよりも人数は多く集まったため、今でも続けています。
また、撤退ルールに則って
必要なデータを分析できる準備はしておきましょう。
行動しながら常にデータを集めるか、データが集まる仕組みを作っておく。そうして得たデータを撤退ルールと見比べながら行動し、修正し続けるのです。
このように、何かを始めるときには終わり方も考えておく。明確な終わりがあれば、始める後押しにもなるでしょう。終わり方を考えることは始めることを簡単にしてくれます。そういう意味では撤退力は初動力の重要な要素なのかもしれません。
初動と撤退をセットで考える。
「ダメならやめればいい」という一見無責任にも思えるこの考え方は、実は無責任ではありません。最も無責任なのは、自分で何もしないことではないかなと思います。ダメだったとしてもそこに学びは残ります。そこで得た学びを次に活かすことだけが、不確実性の時代で生き抜くリテラシーではないでしょうか。