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キャリアピボットの思考法と4つのチェックポイント

著者のWebメディアからの転載記事です。
(著者:黒田悠介さんからの承諾はいただいております)

概要

キャリアの「ピボット」について検証すべき以下の4つのポイントについて書きました。

・Personality/Will Fit
・Will/Skill Fit
・Skill/Value Fit
・Value/Market Fit

その前に「ピボットってなに?」という方に向けてスタートアップにおけるピボットについてご説明します。

スタートアップにおけるピボット

スタートアップでは、事業のピボットが頻繁に発生します。ピボットとはバスケットボールの用語でもあり、片足を軸足にして動かさず、もう片足を動かしながらボールキープをするプレーを言います。

事業のピボットもこのイメージに近いです。既知の情報を軸足にして、仮説を動かしながらより良い一歩を探っていくわけです。

未知を既知に変えていく

スタートアップを成功させる方法論として出回っているものの多くは、未知を既知に変えていくプロセスです。最初は顧客、課題、提供価値、市場など、事業企画のあらゆる部分が仮説で、未知の状態です。

この未知を既知に変えるために、ユーザーインタビューをしたり、プロトタイプを作ってみたりするわけです。

当初持っていた仮説が正しいことが分かれば、次の仮説を検証します。逆に、仮説が間違っていた場合は、新たな仮説を構築しなければなりません。

この「新しい仮説」が事業モデルにまで影響するとピボットと呼ばれます。スタートアップはピボットを避けては通れません。

世の中は不確実性が高く、変化のスピードも速いのがその理由です。

キャリアのピボットという発想

「不確実性」「変化のスピード」という言葉は事業に対してのみ語られるものではありません。あらゆる個人も、同様の不確実性と変化から逃れることはできません。

このことは特にフリーランスと呼ばれるタイプの個人「事業」主になってから感じるようになりました。

・自分の提供している価値がどの程度のものか?
・もっと高い価値を提供できないか?
・自分の価値を提供している市場は拡大するのか?
・競合はどのくらいいるのか?

フリーランスでも「事業」をやっている意識で上記のよう問いかけ自身に向けるべきです。常に自分の事業についての仮説を検証し、未知を既知に変えていく必要があります。そして、もし仮説に間違いがあることが分かれば、ピボットも必要なのです。

さらに、個人のキャリアの場合、他者からチャンスを与えらることも多いものです。このときに柔軟にピボットしてチャンスをものにすることも必要でしょう。

私自身は2年以内には毎回大きな転換点が待っています。これは意識的に働き方を検証し、ピボットを繰り返してきた結果です。

以下に、具体的にどのような検証をキャリアに対して加えていくべきなのか、考えてみたいと思います。チャンスがやってきたときに、それを手に入れるかどうかの判断基準にもなります。

1.Personality/Will Fit 

Personality(自分らしさ)とWill(やりたいこと)がFit(適合)しているかどうか、という検証。就活生に多く見られる現象として「誰かのWillを自分のWillだと勘違いする」というのがあります。あなたは心からやりたいと思えていることがやれているのか。定期的に見直すべきだと思います。

2.Will/Skill Fit 

Will(やりたいこと)とSkill(技能)がFit(適合)しているかどうか、という検証。Willを実現するためには、適切なSkillが必要です。あなたが持っている、あるいは得ようとしているSkillがWillに合っているのか考えてみましょう。あなたが取ろうとしているその資格は、本当に必要でしょうか?

3.Skill/Value Fit 

Skill(技能)とValue(提供価値)がFit(適合)しているかどうか、という検証。どんなに高いSkillを持っていても、それがValueに繋がらなくては仕事になりません。このSkill/Value Fitが成り立たない場合、あなたがやっていることは趣味です。趣味が転じて仕事になる人は、SkillがValueを生むほど熟達した人たちです。あなたのSkillはValueを生み出せているでしょうか?人工知能やロボット、賃金の低い人材との代替可能性についてはどうでしょうか?

4.Value/Market Fit

Value(提供価値)とMarket(市場)がFit(適合)しているかどうか、という検証です。高いValueを発揮していたとしても、そこにMarketが存在しなければ仕事にはなりません。Marketがあったとしても、今後縮小していくMarketだとしたら、ピボットによってより良いMarketを狙う必要があります。Marketをピボットする場合には、Valueに戻って考え直す必要があります。