お役だち記事

孤独になりがちなフリーランスが「コミュニティ」に属してみたら・・・

著者のWebメディアからの転載記事です。
(著者:すだあゆみさんからの承諾はいただいております)

概要

こんにちは、ライターのすだです。10年ライターをしています。8年目くらいまでは自宅に引きこもり、編集者さん以外とは関わらず、孤独に仕事をしてきました。

ところが、2年前くらいから「私、孤独すぎる!人と関わりたい!」と思うようになりました。今は人見知りながらも複数のコミュニティに属し、仕事以外の関わりを楽しめるようになって、孤独が少しやわらいでいます。

今日はそのきっかけとなった、あるコミュニティに参加したときのお話です。

大人が本気で遊ぶ会

2年前のある日、Facebook内で大人が本気で遊ぶ会というイベントの告知を見つけました。もともとゲームが好きだった私は興味を抱きました。

大人が本気で遊ぶ……?

当時の私は、人と会うとき「ランチ」「お茶」「飲み会」の3つの選択肢しか思い浮かびませんでした。甘いものが好きな人とはスイーツ系のカフェやレストランへ、お酒が好きな人とは居酒屋へ。それが当たり前のように思え、それ以外の選択肢などないと思っていました。

でも「大人が本気で遊ぶ会」というのを目にして、「遊ぶ」という選択肢もあるんだ……と気付いたのです。

中高生のころ、誰かの家に集まって、時間を忘れて朝までゲームして雑魚寝した経験がある人っていますよね。

私は一度もありません。でも、そんな遊び方に憧れていました。

ゲームするためだけに集まって「勝った」「負けた」でワイワイする。あの青春が、このイベントに参加したら味わえるんじゃなかろうか……。そう思いました。そして、人見知りにも関わらず「えいっ」と参加ボタンを押してしまったのです。

会場に着いた瞬間「しまった!!!」と思ったワケ

イベントの開催は水曜日の夜で、会場は渋谷のコワーキングスペースでした。会場にたどりつき、一歩部屋に入った瞬間、私は「しまった……!!」と思いました。

なぜかというと「参加者の方が、自分よりもだいぶ若かったから」です。それだけで……?と思いますが、若さは偉大。エネルギーあふれる空間に「場違いなところに来てしまった……」と、完全に気後れする自分がいました。

会場にはすでに10人くらいの人がおり、複数のテーブルに分かれてカードゲームをしている人もいれば、プロジェクターを使ったゲームの準備をしている人もいました。

入り口すぐの受付で「ここに名前を書いて、服に名札をつけてください」といわれ、名前を紙に書いている最中も

どうしよう……「お腹がいたい」って、いったん引き返そうか

とも考えました。でも、ここで帰るのは申し訳なくもあるなぁと思い、ひとまず荷物を置く場所を探すことにしました。

「やりませんか?」の勇気は、そのうち出てくる

荷物を置いて突っ立っていると、イベントの運営者さんが「このゲーム、おもしろいですよ。やってみませんか?」と助け船を出してくれました。

すると近くにいた人が集まってきて、みんなで「大乱闘スマッシュブラザーズ(相手をふっとばす大人数アクション系ゲーム)」をやることに……。初めてでしたが、なんとなく操作は分かりました。

そうこうしているうちに、ひとしきり遊び終えたタイミングで「次、違うのやりませんか?」と別のゲームに移行したり、お手洗いの帰りに「あ、これやりますか?」と声をかけてもらえたり、次から次へとゲームをすることができました。

思い返してみると、おそらく「どう声をかけようか」と迷っている人は大勢いたと思います。なぜなら、会場に立ちすくんでいる私のような人がほかにもいたからです。

最初に「このゲーム、一緒にやりませんか?」と声をかけるハードルが高いのは、私だけではなくみんな同じだったと思います。それでも時間がたつにつれ、声がけも自然にできるようになりました。

見ず知らず同士でするゲームも、楽しい

実は、参加する前「とはいっても、あかの他人同士のゲーム。はたして楽しいのだろうか?」という疑問はありました。

知り合い同士なら気兼ねなくできるけど、知らない人同士って気を遣うし、ゲームそのものを楽しめないかもしれない……

実際に参加してみて不思議だったのは「知らない人とゲームをやっても楽しかった」ということです。

むしろ「この人、どういうゲームの進め方するんだろう?」という興味が湧きますし、ルールを知らなくても初心者の割合が多いので、知っている人が最初に丁寧に教えてくれます。

「ゲームがわりと好き」であることを前提に、人が集まっているので「みんなでこのゲームを楽しもう」という空気が感じられ、じょじょに安心できる自分がいました。

そして、会が終盤を迎えたころには「これは楽しいぞ……!来てよかったー!!」という満足感が生まれていたのです。

楽しみなつながりが、孤独をやわらげる

コミュニティへの、興味はある。でも、どんなところか分からないし、コミュニケーション下手だから不安がある。この気持ちは今でもあります。

ただ、やってみるまでが怖いのは人間が知らないものを怖がる性質があるからだと思っています。私が初めてコミュニティというものに参加できたのは、最初が「怖い」というマイナスベースなら、あとは上がるしかないと思えたからです。

この世の中のことは、経験上「意外と楽しかったぜ」なことのほうが多いです。

万が一「ああ、楽しくなかったなぁ。やっぱり怖かったなぁ。嫌だったなぁ」と思うことがあったら、それはレアな経験と考えるようにしています。

話を盛りに盛って「この前、めちゃくちゃキツイことがあったんだよね……」と友人に話すネタにしようと考えると、いくぶん気持ちが楽になります。

「最近、孤独を感じるなぁ」というときは、友だちでもない、仕事関係でもない「コミュニティ」の空気を吸ってみると、楽しめる自分を見つけたときに孤独感が少しやわらぐかもしれません。

「大人が本気で遊ぶ会」

日本最大級フリーランスコミュニティFreelance Nowのイベント開催を機に設立。「遊びを通じてつながるコミュニティ」がコンセプトで、現在は「スキルシェアリング」・「メンバー間での業務委託契約」などコラボレーションが続々と生まれている。私が参加したころは、まだコミュニティ誕生から間もない時期だったと記憶しています。