著者のWebメディアからの転載記事です。
(著者:黒田悠介さんからの承諾はいただいております)
概要
信頼や評判によって回る経済というのは大歓迎なんだけど、それらはプラットフォーム間で流通しないというか、ポータブルではないところに課題とチャンスがあると思っています。
例えばクラウドワークスでクライアントから高い評価を得れば、そのアカウントのプラットフォーム内SEOは上がり、案件も多く受けられるようになっていく。でも、その人がupworkでフリーランス登録しても、過去の評判はついてこない。リセットされてしまう。
プラットフォーマーの発想としては当然、プラットフォームの乗り換えコストをあげたほうが囲い込める。合理的です。だから信頼や評判の課題は、同じレベルのプラットフォームでは解決できない。プラットフォーム on プラットフォームなら解決できるかも。
なんとなく、アインシュタインの
今日我々の直面する重要な問題は、その問題をつくったときと同じ考えのレベルで解決することはできない。
という言葉を思い出します。
お金ほどポータブルではないし、フォロワー数ほど数値化が簡単ではないのだけど、信頼や評判をプラットフォーム別のIDではなく実在する一個人に紐づけることができたらいいのになあと思います。
しかし、あるプラットフォームで失敗して信頼を失ってしまった人の再チャレンジの機会をなくしてしまうのもいけないな、と家入さんの「なめらかなお金がめぐる社会」を読んでいて考えさせられました。
評判が一元化されてしまい、常に「いい人」であることを求められる世界は、息苦しいものになるかもしれないですね。
評判経済と監視社会は地続きの可能性がある。だから、私たちはそれをできれば良いものにするために動かないといけませんね。