著者のWebメディアからの転載記事です。
(著者:黒田悠介さんからの承諾はいただいております)
概要
天職というのを分解して考えてみようと思います。
ここでは仮に
- WILL(やりたいこと)
- CAN(できること)
- NEED(求められること)
の3つの円が重なったところに天職(Calling)があるとします。
これはあくまで仮置きで、この前提の元でどういった行動指針が得られるかを考えてみようという検証をします。
そのため「天職はWILLとCANとNEEDが一致したもの」であるかどうかは別途検証が必要ですが、それを一度飲み込んで話を進めてみます。
つまり、
CAN∧WILL∧NEED⇔Calling (1.1)
という前提です。
2つの円を重ねるには?
まずは円を2つ重ねる必要がありますね。これには3つの円それぞれに対して行動指針があり得ます。
1.NEEDの相手を変える
あなたのCANを求めている相手を探す(NEEDの円を移動させる)ことでCANとNEEDを重ねることができます。
2.CANを増やす
CANを増やす(面積を増やす)ことでWILLやNEEDの円と重ねることができます。
3.WILLを拡張する
社会との関わりを通じて自己理解が進めば、WILLが拡張されて(面積が増えて)いきます。
こういった行動指針によって、まずは2つの円を重ねることができます。円が重なったことは、以下の基準で判定できるとします。
- CAN∧WILL ⇔ joy(「楽しい」と言える) (2.1)
- WILL∧NEED ⇔ aid(「応援するよ」と言ってもらえる) (2.2)
- NEED∧CAN ⇔ thank(「ありがとう」と言ってもらえる) (2.3)
3つの円を重ねるには?
ではいよいよ3つの円を重ねてみましょう。天職が見えてくるはずです。2つ重なった円に残りの円を重ねるための行動指針を考えてみます。
冒頭の(1.1)で書いたとおり「CAN∧WILL∧NEED⇔Calling」という命題を真とするなら、(2.1)(2.2)(2.3)から以下が成り立ちます。
1.Calling⇔thank∧WILL (3.1)
これは「ありがとう」と言ってもらえることに対してWILLの円を重ねようという指針です。
仮に本人が些細なことと思っていても実はその仕事は誰かの役に立ち「ありがとう」を生んでいるものです。
それなら、その「ありがとう」と言ってもらえることをWILL(やりたいこと)にしてしまえばいい。
気の持ちようと言ってもいいですし、「今の仕事に意義付けをする」というのでもいいでしょう。
2.Calling⇔joy∧NEED (3.2)
これは「楽しい」と言えることに対してNEEDの円を重ねようという指針です。
趣味を仕事にする、というのはこれに当てはまります。趣味を極めれば、人に教えたり、その領域で新たな価値を生み出せるかもしれません。
あなたの趣味を必要としてくれる人を探し出せたら、それが天職です。
3.Calling⇔aid∧CAN (3.3)
これは「応援するよ」と言ってもらえることに対してCANの円を重ねようという指針です。
あなたが打ち立てたビジョンに向けて様々な努力をする必要があります。自分の能力を高め、学習し続けないといけないので、厳しい道ではあります。
ですが、そのビジョンが(2.2)の通りWILLとNEEDが一致したものであるため応援してくれる人もたくさんいます。
難しく見えて、実は一番簡単な道なのかもしれません。
【結論】天職を見つけるアプローチ
天職は、以下のアプローチで見つけることができます。キャリアの指針が欲しい方の参考になれば幸いです。
・Calling⇔thank∧WILL (3.1)・Calling⇔joy∧NEED (3.2)・Calling⇔aid∧CAN (3.3)